診療内容詳細
習慣流産・不育症の診断・治療
当科では、流産や死産もしくは子宮内胎児発育不全(赤ちゃんが大きくならない)を繰り返す習慣流産・不育症の診断および治療に力を入れています。
習慣流産とは、3回以上自然妊娠を繰り返す場合をさします。不育症とは、妊娠はするが、その後の妊娠経過が正常にいかない場合のことです。以下のような例があげられます。
- 妊娠初期の流産や胎児死亡を繰り返している。
- 原因不明の死産や早期新生児死亡を起こしたことがある。
- 妊娠中に胎盤に血がたまったり、常位胎盤早期剥離を起こしたことがある、
- 救命できたが、赤ちゃんの発育が極端に悪かった(小さかった)。
- 妊娠中期に、子宮口が開いて流産してしまう。
- 妊娠反応は陽性になるが、すぐに月経になるのを繰り返す。
系統的なスクリーニング検査により、従来は不明であった原因を明らかにし、それに対応した治療を行っております。当科では、血管の障害を原因とする習慣流産・不育症について着目しており、子宮動脈の血流評価など岡山大学独自の管理方式も関連学会で報告しています。
抗リン脂質抗体症候群などの血液凝固異常(血液が固まりやすい)を伴う症例には、抗凝固療法として、低用量アスピリン・ヘパリン(ヘパリノイド)療法を行っており、良好な妊娠継続率を得ています。ヘパリン療法は自費診療で行っておりますが、在宅治療が可能なヘパリン自己注射法を導入しています。当科でヘパリン療法を希望される患者さんは、あらかじめ妊娠される前に、紹介状を持ってご受診いただきますよう宜しくお願いいたします。
症例によっては、ステロイド療法も行っております(妊娠初期は管理入院となります)。
また重症例には、ガンマグロブリン療法も自費診療にて対応しております。
不妊症の診断・治療
当科では、系統的なスクリーニング検査により不妊症の原因を同定し、それに対する治療を行っております。
検査は、各種ホルモン検査を含む血液検査のほかにも、超音波検査、子宮卵管造影、子宮ファイバースコープによる観察、ご主人の精液検査などを多岐にわたり行っております。また検査の結果、内科系の病気などが疑われ、精密検査・治療が必要と判断された場合には、院内の専門各科にご紹介いたします。
治療は、排卵誘発やタイミング法、人工授精、さらに体外受精などの生殖補助医療(ART)にも対応しています。なお手術療法につきましては、入院により行っております。
月経前症候群(PMS)の専門外来
毎月の生理前に決まって起こるイライラやうつなどの症状を月経前症候群(PMS)といいます。軽い症状は比較的多くの女性にみられますが、仕事や家事が手につかなくなり、家庭内や職場でトラブルを起こしているような女性には専門的な治療が必要です。当科では、PMSに対する専門外来を開設し、患者さん一人ひとりに見合ったさまざまな治療法を提案し、生活の質(QOL)の向上を目指しています。
ジェンダークリニック
関連各科と協力し、数多くの性同一性障害の患者さんの治療を行っています。
まず当院の精神科をご受診いただき、その後に当科の受診を予約していただくようになります。