産婦人科に興味をもってくれた若い君たちへ
教授 増山 寿
女性に子宮や卵巣がなければ人類のリプロダクションはあり得ません。産婦人科は対峙しているひとりの患者さんのひとつの命を預かるだけではなく、母児2つの命を背負い、「おめでとう」という言葉が自然と出てくる科です。またこのリプロダクションの根源である女性の生殖臓器を、そして女性自身を腫瘍から如何に救うかを使命としています。我々産婦人科医は、これら周産期、婦人科腫瘍領域に加えて生殖内分泌やヘルスケアなど胎児・生命誕生から更年期・老年期まで女性の一生を幅広く継続してサポートする役割を担っています。
我々の教室では、50年以上前より関連病院と協力して充実した研修システムを確立してきました。現在の研修プログラムは日本専門医機構の産婦人科研修プログラムとしてさらに進化したものになっています。
岡山大学産婦人科研修プログラムの特徴は、
- 初期研修プログラム(岡山大学病院)、産婦人科専門研修プログラムおよび専門医取得後のキャリアアッププログラムを策定している。
- 卒後5年経過した時点で産婦人科専門医試験が受けられるよう、周産期、婦人科腫瘍、生殖・内分泌および女性ヘルスケアの4分野の疾患を万遍なく経験できるよう配慮する。
- 基幹施設に加えて地域の中核拠点病院(3次施設)と地域の病院(1,2次施設)をローテーションすることにより地域医療特有の産婦人科診療を経験し、地域の医療資源や救急体制について把握し、地域の特性に応じた病診連携、病病連携のあり方について理解して実践できるような研修体制を整えている。
- 全ての領域においてリサーチマインドの醸成および興味を持った領域の基礎・臨床研究を深めるため大学院に入学し、学位研究をすることが可能である。また、国内外への留学も積極的に推進している。
- 産婦人科専門医取得後さらに周産期(母体・胎児)、婦人科腫瘍、生殖医療、内視鏡技術認定医、臨床遺伝、超音波などのサブスペシャリティの専門医を取得するため岡山大学病院や各専門医研修認定施設にて研修、指導をうけることができる。希望者はNICU研修や生殖医療専門施設での研修も可能である。
- 日本産科婦人科学会をはじめさまざまな学会の主催する若手医師、研修医向けプログラム、海外派遣、各種学会参加を積極的に推進・援助している。
- キャリアを考える上で、様々なロールモデルとなり得る先輩が在籍しており、アドバイスを受けることが可能である。
- 教育に熱心なスタッフが揃っている。
などが挙げられると思います。
充実した専門研修プログラムと多彩なキャリアパスを用意し、産婦人科のキャリアを積んでいく上で、必要かつ十分な研修体制、施設、人材を用意しています。ロールモデルとなる尊敬すべき先輩、一緒に苦楽を分かち合える同僚、かわいい頼りになる後輩にあふれ、生涯に渡り切磋琢磨し、またお互い助け合える“チーム岡大”の一員に加わりませんか?
2022年1月